2013年3月6日水曜日

恵藤憲二が従来美術を現代美術の眼でを紹介 惠藤憲二アトリエ

惠藤憲二 恵藤憲二が教える現代美術は勉強すればおもしろい
恵藤憲二が従来美術を現代美術の眼でを紹介

恵藤憲二です。

今回は、従来美術を現代美術の眼でを恵藤憲二が紹介します。

5、従来美術を現代美術の眼で

印象派は、日本の美術愛好家にもっとも人気のある様式のひとつでしょう。

しかし、それが生まれた1870年代の初めの頃には画壇からも一般観衆からもさんざんな酷評を浴びました。

印象派の作家たちは、"自然は作者自身の感覚が現場でとらえたそのときの印象として描くべきだ"と考えました。

したがって光の効果が重視され、印象を素早くカンバスにとどめなければならないので、従来の絵画に比べると大胆でスピード感のある筆使いになります。

印象派の名前の由来となったのは、モネの、≪印象・日の出≫といわれています。

これは、太陽が昇りつつある朝凪の海面に船が浮かぶ茫洋とした風景、というよりも雰囲気といったものが粗いタッチ、淡い色調で描かれています。

この作品に対する当時の批評に次のようなものがあります。

対話形式で書かれたこの文章には、絵を見ながら題名を聞いた男にこう言わせています。

「印象か。たしかに。わしもそう思っていたんだが、わしも強い印象を受けたのだから、その絵になんらかの印象があるにちがいない。

なんと自由気ままな、なんと安易な仕上げだろう! 壁紙の図案の下描きだって、この海の絵に比べりゃずっと完成しているよ」

(バーナード・デンバー、末永照和訳『素顔の印象派』、美術出版社,1991)。

印象派という名前も当初批評家たちがあざけりを持って呼んだ言葉だったようです。

印象派は、当時の現代美術でした。最先端を走りながら新しい状況をきりひらくものは、旧体制の抵抗を受けてなかなか理解されにくいものです。

こうした現象は、分野や時代に関係なく見られるものです。

そして、印象派に限らず、いつの時代にも新しい美術の傾向は、それまでにない思想、世界観あるいは過去の状況に対する批判を伴って発生しました。

新しい流派が生まれた当初は、伝統的な主流派から圧力を受け、非難を浴びたものが少なくなかったと思われます。

われわれは、いまの現代美術と従来美術の関係を、進行している過程の中で知ることができます。

過去の美術にもこれと相似形の関係があったことでしょう。

こんなことを意識して、伝統的な美術を美術史の流れでとらえて観賞すると、いままで見ていたものと違ったいきいきした表情が見えてくるかもしれません。

今回は、ここまでです。

以上、恵藤憲二でした。

次回は、現代美術の楽しみ6、得意分野と対比してみる密やかな楽しみを紹介します。

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3月5日(火)のつぶやき
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